コラボレーターへのQ&A
出品作品:
《No.1 20211120 - 1128 》《No.2 20211201 - 1210 》《No.3 20211211 - 1226 》《No.4 20211227 - 20220110 》《No.5 20220111 - 0125 》《No.6 20220126 - 0210 》《No.7 20220211 - 0316 》《No.8 20220319 - 0416 》《No.9 20220418 - 0525 》
2021 – 2022|ムービー HEVC (H.265)
[制作] 原田 和馬 + 福島 諭 / [スライド制作] 原田 和馬
〈作品制作における規則〉
?正方形の静止画データ(3000pixel×3000pixel)を用いる。
?どちらかが最初に提示した静止画データに対して一方が何らかの処理を加え返答する。
?互いに確認し合意の上でやり取りを完結する。
Q1: 福島さんとの共同制作作品のルールはどのようにして決めましたか?
A1: 基本的なルールは先行して行われていた遠藤龍さんと福島さんの間でのやり取りをベースに福島さんから提案頂きました。二人のうちどちらかがまず最初の一枚の画像を提示し、その画像に対して手を入れて相手に返すことを繰り返すシンプルなものです。遠藤龍さんとのやり取りと違う点として、期限は無期限ではなく、まず10日という区切りを設けて始めました。しばらくそのルールでやり取りした後に、10日という期限にこだわらずに二人が納得するまで続けることにルールを変更しました。お互いが納得した段階で一度やり取りを終了し、また新しい画像を提示して次のやり取りを始めます。
Q2: ルールには、良いルールとよくないルールがあるとすると、どのような違いがあると考えていますか?
A2: 良いか悪いかの判断が未だについていないルールとして、制作の期限があります。前述の通り、いまは期限を決めておらず、二人の同意のもと終了するタイミングを決めています。期限を決めていないことで、じっくりと制作に取り組める反面、制作の間が間延びすることもあります。この期間の長さというのが、制作にどのような影響を与えているかは今後も検討したい部分です。
Q3: 作品制作においては完成を目指していますか?プロセスの見せ方について他のアイデアはありましたか?
A3: 制作においては、一枚ごとに完成された絵として作っています。今回の展示でフェード動画にしたのは一枚ごとの差異が分かりやすい見え方だったからです。他のアイデアとしてはプリントをして並べるという案もありました。コンタクトシートのようなものを作成するのは今後やってみてもいいのかもしれないと思っています。
Q4: これまでの制作の過程で印象深かった局面について教えてください。
A4: 自分が相手に送った画像が、想像もしないような変化をして帰ってきたときには驚きがあります。今回の展示のメインビジュアルにもなっているNo.7は特に展開に意外性があって印象に残っています。自分はこの制作過程で一貫して「画像を重ねること」で画像を変化させていますが、福島さんはまた別の手法で変化を与えてきて、それが予想できない部分が面白いと感じています。
Q5: 共同制作に可能性があるとしたら、どのような部分でしょうか?今後も続けていきますか?
A5: 一枚の画像を対話的にやり取りすることは他にないことで、やり取りひとつひとつに「新鮮さ」とでも言えるような手触りがあり、そこに可能性があるのではないかと考えています。昨年の11月頃から始めて、現在は12番目のやりとりをしています。今後も続けられる限り続けてみたいと思っています。
原田和馬(はらだかずま)
1990年愛知県生まれ。2018年bet36体育在线-体育投注官网@[IAMAS]修了。複数枚の写真を重ね合わせ、合成するという一つの系とそれに関わる行為そのものを作品と捉え、その系を通して生み出される写真作品や映像作品を制作している。http://kazumaharada.org/