物体を更新可能にする機械 ソリッド編み機
編み物は、編み目という単位によって全体の形状を離散化(ばらばらに)している、本質的にデジタルなものづくりの手法です。この離散的な性質によって編み物は、ほどいて編みなおすこと、すなわちundo、updateを可能にしています。しかし従来の編み物では、衣類は編めても家具や部品のようなかたいものは編めません。
そこでわたしは、編み地を積層させることで中身の詰まった立体を編む「ソリッド編み」という手法を考案し、さらにこれを自動化する機械「ソリッド編み機」を開発しています。これによって、椅子をほどいて机に編みなおすような「物体の更新」が可能になります。
プロフィール
学生時代、久保田晃弘さん?松井茂さんの文章に出てきた「完成させる必要のないモノづくり」ということばに触発され、中身の詰まった編み物を造形できる手法「ソリッド編み」を考案しました。編み物はほどいて編みなおすことによって更新することが可能であり、これを用いれば物体においても、ソフトウェアのように「永遠のベータ版」=完成という概念自体が希薄化した状態をつくることができると考えたからです。 現在はフリーランスのメカエンジニア?研究者としてこの手法を自動化する機械「ソリッド編み機」を開発しています。静岡県浜松市を拠点にしており、FabLab浜松、浜松市鴨江アートセンター、FUSEのどこかにいます。
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