Fab Academy 2024で出展者が製作した作品2点、さらに修了後現在試作中の作品1点を紹介する。
①パスポート盗難防止アラーム（卒業制作作品。海外旅行中に起こり得るパスポートの盗難や置引きのリスクを、警報デバイスとスマホアプリのペアで軽減）
②魚釣りゲーム「The Lone Angler」（3Dプリンタで用いられるCoreXYに釣り人を乗せ、PCで動かすゲーム。ファブラボ関内のグループワークで製作）
③オープンソース点字プリンター「BreilleRap」（フランスから世界各国に普及しつつある点字プリンター。昨年ブータンで試作品を見たので、日本での初の複製に挑戦中）。
2024年8月、メキシコ?プエブラで、第19回世界ファブラボ担当者会議（FAB24）が開催された。また、それに先立ち、7月26日から1週間、メキシコ国内8カ所にFAB24参加者が分かれ、地域の直面する課題に対するソリューションを、地域の人々と一緒に5日間でプロトタイプするという「ファブシティチャレンジ」も開かれた。Fab Academy卒業式に出席するため、メキシコを訪れた発表者は、メキシコ最貧州チアパス州でのチャレンジに参加し、その後FAB24も出席した（前半のみ）。発表では、メキシコでの体験、今ファブラボのコミュニティで起こっていることについて報告する。
グローバルディプロマプログラム「Fab Academy」の2024年度卒業生。2017年から2023年にかけて、JICA（国際協力機構）の職員として、ヒマラヤの王国ブータンで、同国初のファブラボの設立や地方の工科大学のファブラボ設立に協力し、2023年の世界ファブラボ会議（FAB23）の開催にも関わってきた。帰国後、国際協力分野でデジタルファブリケーションの普及をもっと図りたいと考え、ファブラボ関内（横浜）でFab Academyを受講。還暦間近の文系オジサンの受講は難航を極めたが、無事卒業に漕ぎつけた。岐阜県池田町出身。著書に『ブータンにデジタル工房を設置した』（2020年）
