手回しデバイスとは、手回し映写機の復刻という着想から生まれたものである。映像と音楽はクランクを回すという動作に連動し、クランクの速度や回転方向をフィルムではなくデジタルソースで実現するために制作されたものである。しかし、このデバイスは単に映写機の復刻を目標としてはいない。従来の映写機が本来持っていた「ライブ性」をDSPやリアルタイム画像処理などの様々なデジタル特性を生かすことによって拡張させるものである。 今回はこのデバイスを一種の楽器に見立ててパフォーマーはあらかじめ定められたスコアに沿って演奏するという実験的なライブを行った。複数台のデバイスから生成されるメロディと映像の複雑な関係性は、この演奏の特徴である。 |
概要 この作品は、2人の演奏者がそれぞれの手回し装置を回し、回しているクランクと連動して、映像と音楽が再生される。この2人の映像と音楽がミックスされた作品となる。 |
映像と音楽 この作品は3つの映像と音楽で構成されており、それぞれEtude1,2,3となっておりAttaccaで演奏される。この作品で使われた映像は、1895年にリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフを用いており順に、蒸気機関車、工場の出口、水浴となっている。また音楽は、この作品のために作曲されたもので、楽譜化され演奏者は楽譜に合わせて演奏する。 |
システム 演奏者1人につき、1つのデバイスとMacintoshG4が割り当てられ、デバイスはクランクの回転速度、方向を読み取りUSB接続でMacに送り、MacではMax/natoによって、映像、音楽処理されて、2人の映像がミックスされてプロジェクターによって写し出される。 |
手回しデバイスのためのエチュード #01,02 and 03
|