大越円香 個展「Unaccounted for “ ”」
2021年7月6日からGallery TURNAROUND(宮城県仙台市)にて、修士1年 大越円香さんの個展「Unaccounted for “ ”」が開催されます。大越さんは、スマートフォンと人間の間で起こる『自己と他者の共存』をテーマに制作。スマートフォンで撮影した写真をインクジェットプリントしたのち、漂白剤によるペインティングを手法とした作品が展示されます。
秋田県出身で、現在は岐阜を拠点に活動する大越円香の個展を開催します。
大越は、スマートフォンと人間の間で起こる『自己と他者の共存』をテーマに、スマートフォンで撮影した写真をインクジェットプリントしたのち、漂白剤によるペインティングを行っています。現代人にとってスマートフォンは、もはや人間の感覚器官の一部となりました。指による操作は意識を画面の中の仮想空間へ投影し、それらは情報に置き換えられ、仮想空間を構築するデータとして記号化され、視認できるものとなります。作家は、漂白剤によってインクを溶解させることで、ネットワーク上で曖昧になっている主体の存在を顕在化させ、記号化された情報への「虚実の処理」 を行うと云います。漂白剤によるペインティングという独自の技法からくる画面の劣化と溶解は、情報の脆さや儚さを表象するとともに、人間自体の本質を露呈していきます。