Necropolis - 死都の再演
2020年11月1日から7日まで、名古屋市?長者町コットンビルにて修士2年 ミズタニタマミさんの個展「Necropolis - 死都の再演」が開催されます。11月6日には、飯田豊さん(社会学者 立命館大学准教授)をゲストに迎えたアーティストトークが行われます。
いま使用されている公共建築に、なんらかの違和感を伴った、寂れた雰囲気が漂うとすれば、これを共有する人々、つまり本来の所有者たちの、集合的な意思の問題なのではないか? 公共建築を通じて見出される、公共性の機能不全と思考停止状態をミズタニは「廃墟性」と指摘する。 「廃墟性」を主題に、ミズタニが最初に扱った公共建築は、ソフトピアジャパンセンタービル(黒川紀章、1996年竣工。岐阜県大垣市)だ。岐阜県が当初謳った「技術開発室等のIT関連企業のオフィスビルとしての機能」は、竣工時から2020年現在まで、機能不全と思考停止状態を維持している。言い換えれば、公共建築には施主としての市民、代議員、官僚、設計者の間に生じる機能不全と思考停止状態が象徴として現れるのだ。 それがどこに立地しても……。 この仮説を裏付ける2020年の象徴こそ、新国立競技場(大成建設?梓設計?隈研 吾建築都市設計事務所共同企業体、2019年竣工。東京都新宿区、明治神宮外苑)だ。 ミズタニは、公共建築を媒介に、現代日本の肖像を描いている。
展覧会概要より引用